〜クラシック音楽の基礎用語〜


♪音楽の三要素

リズム、メロディー、ハーモニーのことを音楽の三要素と呼びます。

♪音階

音楽に使われる音を高低順番に並べたもの。主音とその1オクターブ上の音との間に一定の秩序で配列する。西洋音楽は七音音階が基礎となります。

♪全音階(長音階・短音階)

1オクターブが全音五つと半音二つからなる音階。ピアノの白鍵でひくことのできる七音音階のこと。

♪長音階

第3音と第4音・第7音と第8音の間が半音で、他は全て全音のへだたりの関係になっている七音音階を長音階といいます。

[ド]-全-[レ]-全-[ミ]-半-[ファ]-全-[ソ]-全-[ラ]-全-[シ]-半-[ド]

♪短音階

第2音と第3音・第5音と第6音の間半音で、他は全て全音のへだたりの関係になっている七音音階を短音階といいます。

[ラ]-全-[シ]-半-[ド]-全-[レ]-全-[ミ]-半-[ファ]-全-[ソ]-全-[ラ]

♪音程

二音間の高さの隔たりのことで、「度」という単位を用いる。七音音階上では隣り合う二音の音程は1度ではなく2度になり1オクターブ離れたら8度となります。

♪調性

楽曲の流れがある一つの中心音(主音)へと向かう動きによって方向づけられている状態のこと。

無調とはこうした求心性を否定したもので現代音楽の特徴でもあります。

♪長調・短調

西洋音楽の基礎となる全音階から構成される2種類の音階。

長調は主音上に長3度の音程を形成します。一般的に長調は明るい・ほがらか・陽気な感じの曲が多い。

短調は主音上に短3度の音程を形成します。一般的に短調は暗い・悲しい・さびしい感じの曲が多い。

♪平均律

1オクターブを均等な周波数比で分割した12半音の音律。

♪テンポ

楽曲を演奏する際に設定する速さのこと。正確な速さではなく、速い遅いのおおよその速度を示し、演奏家による解釈はテンポの違いにはっきりあらわれます。

♪絶対音楽

音の組み合わせによって形式美や深さを音楽で表現しようとする音楽のことで、多くの標題のない交響曲やソナタがこれにあてはまります。

♪標題音楽

題名によって示された文学的、絵画的な内容を音で表現しようとする音楽のことで、ロマン派に作られた交響詩や序曲、標題のついた楽曲がこれにあてはまりますが、対する2つの用語の間には明確な境界線はありません。

♪楽式

楽曲を構成する音楽形式。三部形式、ソナタ形式、ロンド形式などがある。

♪三部形式

3つ部分からなる楽曲の形式で、A→B→Aという形をとる。Aで主題を提示をし、Bはそれと対照的なメロディや調で形成し、そしてまたAの再現となります。

♪ロンド形式

主題がいくつかの異なる旋律をはさんで繰り返される形式。

「ロンド」とは、ぐるぐる旋回するという意味で、主題が回るように何度も登場してくるところからこの名称はつきました。

A→B→A→C→A→B→A(大ロンド形式)、またはA→B→A→C→A(小ロンド形式)という構造が一般的でソナタ、交響曲、協奏曲などの終楽章に多く用いられています。

♪変奏曲形式

主題となる旋律(テーマ)があって、このテーマを旋律・リズム・速度・調・拍子など様々に変化させていく形式。

A→A1→A2→A3→A4

♪カノン

カノンは「規則」という意味で、先に演奏される旋律を一定の間隔を置いて、まねて追いかける形式のものです。

♪フーガ

フーガの形式は曲によっていくぶん違いがありますが、大きく分けると次のような三つの部分に分けられます。

[主題提示部]――[中間楽節部]――[終楽部]

主題提示部:よく似た旋律が次々と追いかけるように現れます。まず、始めに主題の旋律を奏し、次は途中から   主題を移調した応答の旋律を、さらに三つめは主題の旋律を、四つめは応答の旋律を追いかけるように奏します。

中間楽節部:主題や、主題に続くエピソードの旋律を中心に展開する盛り上がりの大きい変化のある部分。

終楽部:これまで色々展開したために調が変化したので、これをまとめるために、始めの調の主題を再び持ってきて終わる部分です。

♪ソナタ形式

交響曲、協奏曲、奏鳴曲などには、このソナタ形式の楽章が用いられています。

その形は次のようになっています。

名称

説明

内容

序奏楽曲の導入部
主題  提示部主題を示す部分

第1主題→主調

(経過部)→転調を助ける

第2主題→属調または平行調

(小結尾)→主題に似ている

主題  展開部主題をもとにして展開され、変化に富んだ部分

第1主題}

第2主題}

経過部の旋律}

小結尾の旋律}

      など自由な取り扱い

主題  再現部主題を再び示す部分

第1主題→主調

第2主題→主調

結尾楽曲の締めくくり


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