♪ポピュラー音楽

                ジャンル                       

◆ブルース

 19世紀後半にアメリカ南部で黒人によって生み出された。後のジャズ、ロックの基盤となった。歌詞は主に恋愛や苦悩を歌っている。メロディーは最初は即興的だったが、やがて3行形式で12小節のスタイルが一般的となった。主音、下属音、属音でコードが構成されていて、単3度、単7度、減5度のブルーノートを組み込んだブルース・スケールが使われる。

◆ジャズ

 19世紀末にニューオリンズを中心にアメリカの黒人によって生み出された。ブルース、ラグタイム、ヨーロッパ音楽が合流して生まれた。最初は、管楽器を主体とした15名以上のビッグ・バンドによる4拍子主体のダンス音楽だった。オフ・ビートによる躍動的なシンコペーションと即興演奏が特徴である。40年代なかばのビバップ以降をモダン・ジャズと呼び、即興の度合いがより強くなる。60年代には形式からの自由を追求したフリー・ジャズが登場した。70年代にはロックとの融合からフュージョンが生まれた。黒人では、ルイ・アームストロング、マイルス・デイビスが、白人では、ベニーグッドマン、グレンミラーが有名だ。

◆カントリー&ウェスタン

 中部山岳地帯の民謡やその発展した形式であるカントリー・ミュージックと、西部のカウボーイ・ソングや古い歌がもとになったウェスタン・ミュージックを一括した呼称である。

◆ハード・ロック

 エレキ・ギターの歪んだ音とシャウトするボーカルを特徴とする、強いビート、激しいサウンドを伴ったロック。イギリスのレッド・ツェッペリンやディープ・パープルが有名だ。

◆ブリティシュ・ロック

 クラシックや民謡のメロディを取り入れて独特の雰囲気をつくっていったイギリスのロック。

◆プログレッシブ・ロック

 前衛的なロック。高度な演奏技術とエレクトロニクスを駆使して作られ、大自然や宇宙などスケールの大きなものの描写が試みられた。イギリスのピンク・フロイド、キング・クリムゾン、ドイツのタンジェリン・ドリームが有名だ。

◆シャンソン

 フランスの歌謡。源流は民謡・俗謡だが、20世紀初頭からミュージック・ホールで歌手に歌われ始め、やがて世界的な人気を得るに至った。自作自演の伝統がある。

◆カンツォーネ

 イタリア独特のスタイルを持った歌謡。

◆フラメンコ

 スペイン南部のアンダルシア地方の俗謡音楽や・舞踊。この地方に定住する先住民族の文化を色濃く反映したもの。カンテと呼ばれる歌と、トケと呼ばれるギター演奏からなる。手拍子と掛け声も重要な要素である。代表的なギタリストにパコ・デ・ルシアがいる。 

◆ラテン音楽

 中南米の音楽の総称。代表的なものに単語、サンバ、ルンバ、マンボ、カリプソ、ボサ・ノバ、などがある。日本でも戦後の早い時期から、一定の根強いファンがいた。アメリカでは、移民などの人の行き来が盛んなため、ニューヨークを中心に愛好者の数が多く、アメリカのポピュラー音楽に大きな影響を与えている。タンゴはヨーロッパとの交流が盛んで、ヨーロッパのものはコンチネンタル・タンゴと呼ぶ。

◆サルサ

 プエルトリコ人の移民がキューバの音楽をニューヨークで発達させたもの。ダンス音楽。


音楽博物館‐TOPへ